キイチゴに憧れたひととき
幼少の頃、自分は青森に住んでいました。
家の裏には畑があって、その向こうには藪があって、そこにはたくさんのキイチゴが生えておりました。
6月頃になると黄色い実が熟します。その甘酸っぱい味が楽しみで、暇があったら藪に入ってもりもり食っていた記憶。
ちなみに幼少の頃は、食べれる植物は誰かが植えた物で、勝手に食べると怖いおっさんに怒鳴られながら追い回されるという、実際には体験したことがないけれども、とにかくそんな思い込みがあり、気持ちビクビクしながら食べていたという記憶のおまけつき。
「これ食っていいの?」
「だってここ藪だぜ、畑じゃねえんだぜ」
「でもキイチゴこんなになってるんだよ、誰かが植えたんだよきっと」
「……そうかもしれねえな」
「だから勝手に食べちゃ駄目なんじゃない?」
「……じゃあ、あと30個だけ食べるか」
的な会話をしながら味わっていた次第。
それから月日が過ぎて今日。
我が住処の浦安には、当然ながらモミジイチゴとかカジイチゴとかナワシロイチゴとかがもりもり食べれるような場所はどこにもない訳で。
最近、食える植物を育てることがマイブーム。そんなある日、ふと思い出した訳です。
「ああ、思い出のキイチゴが食いたい……」
で、さっそくキイチゴ探索の旅に出かけようと思った次第。
キイチゴというのは赤いのと黄色いのがあって、黄色いからキイチゴというわけじゃなく、木になる苺だからキイチゴなのかもしれないです。ああ適当に言ってるだけだからツッコミは勘弁して。
で、幼少の記憶は黄色いキイチゴで、これはなんとなくモミジイチゴだったような気がします。
したがってモミジイチゴがほしいと思ったわけですが、幼少の記憶に、赤いキイチゴというものが全然なくて、やっぱ赤いキイチゴもいいねとなり、じゃあやっぱ赤いのメインで探しにいこうかねと。そして房総半島の山中に向け、あてもなくさまよい始めたわけです。
それが去年の夏の話ね。
ちなみに房総半島には、食虫植物専門の植物園という素敵なスポットがあって、単にキイチゴ探すだけじゃアレなので、せっかくだから観光も、というわけで。
当時の写真がないんで、この植物園の写真が無いのが残念ですが、ホームページからそのイメージを見て上げて、よければ観光しに行ってみてください。
で、山中でついに見つけたわけです。赤いのが実るキイチゴ。クサイチゴという種類です。
正確には、山中の、とある畑の脇が草刈りされていて、その跡地に、ちぎれかけた枝切れ一本が転がっていたという感じですが。
こいつが再び根を張るかどうかというのは著しく疑問を感じるほどのずたずたな姿だったわけですが、野生の力を信じてもって帰って来たわけです、はい。
とりあえず家にもって帰って、小さなビニールポットに土を入れ、たっぷり水を入れる。
ベランダも手狭なので、カリンの木の鉢植えの土の上にですね、ビニールポットを置いといたんです。
水やりだけは忘れずに。そんな日々が続いて、今年。
山採れクサイチゴの生命力はすごかった。
あの死にかけのクサイチゴは、ポットの底にある小さな穴から根を延ばし、それはカリンの木の鉢植え内に浸食。
その根がやがて芽を出し、あっというまに大増殖。
あの死にかけが。
そんな馬鹿な。
なんてこった。
こんなんなっちまった。
これでも70%くらい間引いたんですよ。
でもカリンの木の栄養が横取りされちゃって、今年はカリン、実が一個もつかんですよ。
じゃあでもキイチゴの実がつくからいいじゃないかって?
そりゃまあ、一応、実がつくことは付いてるんですが、
なんか、赤い部分がまばらだし。
カリンと栄養を奪い合いっこした結果でしょう。
ちなみにキイチゴ、ベランダの向こう側にまで伸びていっちゃって、↑はその写真です。
野生の力、恐るべし。
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